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知れば地獄だと、識っていたはずだったのに。
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「薬屋のひとりごと」カテゴリ、2枚目です!
思ってたよりも早いカテゴリ絵追加に自分でもちょっとばかり驚いてます。←

今回は前回描いた主人公・猫猫ちゃんのお母上「鳳仙(フォンシェン)」ママです。
この絵を描いたのが2019年の七夕なのですが、この時点ではコミカライズ版には未登場です(存在の示唆はあるかもですが)。
小説版の2巻に登場するので、まぁもうちょっとで登場するところではあると思うのですが、
登場前に描いといたほうがなんかこう、ハードルが下がる気がして。笑
原作の小説の挿絵1枚(バストアップ)しかお姿が出てこないので、カラーリングも全体像もわからず。
なので結構好き勝手描いてるんです、このイラスト。あんまりお咎めないといいんだけど・・・。

さて、まずは鳳仙ママのお話について語りましょう。
この鳳仙ママ、超絶私好みのクール系美人さん。作中の言動もとても冷めてて素敵。
囲碁や将棋などに長けてて、通好みの高級妓女でした。ここから本編ネタバレなので一応隠します。

でも羅漢パパと出会って、ちょっとだけ心境に変化が生じ、あるときに猫猫ちゃんを身ごもるのです。
妓女だから妊娠しちゃダメなんだけど、自分の意思で事に及んだのです。
羅漢パパといい感じで、身請けしてくれそうだし。それに賭けてたのですが・・・羅漢パパさん急に3年も失踪。
その失踪は羅門という彼の叔父の失脚が関係しているのですが、それは猫猫ちゃんのお相手である「壬氏」さまにも深くかかわることだったりします。
鳳仙ママはそのまま猫猫ちゃんを産みますが、それによってお店は信用失ってガタガタになるし鳳仙ママ自身も責任は逃れられないということで、
高級妓女から一転、どんな客も取らなきゃいけない地獄の日々を送るのです。
梅毒をうつされたことによって、鼻がくぼみ、記憶もズタボロになって大好きな碁にも向き合えない。
その中で鳳仙ママ、羅漢さんへの恨みを込めて、自分の左薬指の先とまだ赤子の猫猫ちゃんの左小指の先を切って送りつけます。
羅漢がその文を見るのは数年後・・・。彼が過ちに気づき、店に戻った時にはもう鳳仙は店におりませんでした。


・・・という経緯があるので、この絵にはそのキーワードをちりばめております。
鳳仙ママの鼻を描いてませんし、碁をする道具は荒れ果ててますし、添えられている梅の花は彼女を蝕んだ病気の名前を示唆してます。
わざと見づらくしてますが、左薬指には包帯を巻いており、出血しております。
左手から出血している時点の彼女は本当はこんなにスラッとはしてないのですが、まぁファンアートということで。泣
羅漢さんとの初めての対局では鳳仙が黒、羅漢が白を持っていたようなので、それも関係して、
黒の碁笥はひっくり返ってますが白の碁笥は多少こぼれてはいますがちゃんと立ったままです。ちょっとだけ意味を込めました。


そして絵・・・ですが、まぁ・・・白いですよね。笑
自分史上一番白いと思います。一応余白に何か描こうかとも思ったのですが蛇足になりそうだったので結局なしにしました。
こんな感じの白メインの絵は憧れてはいたのですが、実際やってみるとすごく難しいですね。
何より、もっと足したくなる。笑 「これで大丈夫かな」って何回も見直しました。
長いことパソコンで絵を描いてきてはいるのですが、まだまだ勉強の日々です。どうにかイメージに近い出来に持ってくことができました。

ちなみにこの絵のタイトルは「とある妓女の独白」といいます。
タイトルを付けた時はあまり意識してませんでしたが、版権名の「薬屋のひとりごと」となんか対になってる感じがします。
独白内容の「知れば地獄」というフレーズは作中にも出てきまして、平たく言えば「恋」のことを指しています。妓女は恋なんてしないほうが幸せだと。
「知る」と「識る」はちょっと違うらしく、私も詳しくはないのですが「識る」のほうが意味が深いようです。


雰囲気絵ですが、とても楽しく描けました! 「薬屋のひとりごと」はこれからも描いていきたいですねぇ!!